(3)高密度電気探査

@ 目的

高密度電気探査は、地層の持つ比抵抗の分布を二次元断面的に把握することにより、関ヶ原断層(F−1・F−2)の位置および地質構造を明らかにすることを目的として,また伏在断層の有無等を明らかにすることを目的として実施した。

A 仕様

測線の位置は、西側より笹尾山地区(E−1測線),秋葉・丸山地区(E−2,E−3測線)の2地区で、推定された断層線(F−1・F−2)に直交するようにほぼ南北方向の3測線(総延長804m)で行った。

測定は4極法ウエンナー配置により、解析は2次元逆解析により実施した。また、参考として笹尾山地区のE−1測線上に分布する中・古生層(美濃帯),東海層群の露頭にて比抵抗値を測定した。

測定には地質計測且ミ製大地比抵抗器GER−10Zを用いた。各測線毎の電極間隔は、E−1測線:3m,E−2測線:2m,E−3測線:2.5mである。

B 結果

成果である解釈図を図1−3−3−7図1−3−3−9に示す。

高密度電気探査の結果、得られた比抵抗値が全体に300Ω・m以下と低比抵抗であるため(地質の違いによる比抵抗値の明瞭な差がないため)、地質構造解釈の信頼性が低い。

比抵抗分布から、笹尾山地区のE−1測線と秋葉・丸山地区のE−3測線では、地形地質調査より推定される断層の存在が一部裏付けられた(F−1,F−3)が、逆に、地形地質調査で推定されていない断層が高密度電気探査により新たに推定された。また、秋葉・丸山地区のE−2測線では断層の推定が困難であった。

高密度電気探査の結果は、深度50mまでの地質構造が比抵抗値をパラメータとしてある程度推定できたが、地層の持つ比抵抗値に極端な差異がないこととや、地下水による影響も大きいことから、地質構造解析の根拠とはせず、傍証の一つとして扱うこととした。

図1−3−3−7 高密度電気探査E−1測線解釈図

図1−3−3−8 高密度電気探査E−2測線解釈図

図1−3−3−9 高密度電気探査E−3測線解釈図