6−1 S波反射法地震探査

岡部地区と本庄地区において実施した探査結果より明らかとなった、各測線における地質構造について以下にまとめる。

1岡部S波A測線[図6−1−1]
撓曲崖の上部付近から沖積層分布地にいたる測線である。深度20m以浅の表層部における反射面の変形がCMP180付近に見られることや、細粒の沖積層が堆積すると予想されたことなどより、測線上の4地点で群列ボーリング調査を実施し、地層の形成年代や変形状況などに関する多くの情報を得た。

これらの詳細は[7.総合解析]において後述する。

2岡部S波B測線[図6−1−2]
岡部S波A測線の西側約200mに平行した沖積層分布地域の測線である。北側に傾斜する反射面が見られ、深部ほど傾斜が急となり撓曲の状況が明瞭となる。深度20m以浅においても反射面が明瞭であり、堆積層が比較的連続して分布する可能性が高い。また、反射記録より深度20m付近に傾斜不整合が推定され、CMP130付近ではその上位の反射面に屈曲が見られることより、表層の地層が比較的新しい地質時代に変形した可能性がある。これに対して、深度4m付近に見られる強い反射面はほとんど水平であり、表層の堆積層は変形していないと推定される。したがって、これら各層の形成年代を把握することにより、この地点における断層の最新活動時期を明確にできる可能性がある。

なお、上述した表層部における反射面の変形と、岡部S波A測線のCMP180付近に見られる表層部の変形は、いずれも深部における反射面の屈曲点直上付近に位置することより、これらは同じ地質構造に属する可能性があると考えられ、それらの方向性は一般的な深谷断層の走向方向におおむね一致する。

3本庄S波測線[図6−1−3]
P波による反射断面(本庄P波測線)で見られたように、反射面が北に傾斜する傾向が明らかであり、深度70m以深では撓曲する状況が見られる。表層部は深度5〜10m付近でS波速度が異なることより、沖積層の基底がこの境界面に相当する可能性があると考えられ、測線の両端で分布深度が約5m異なることが推定される。このような反射記録の特性より図に示す3本の断層が推定される。一方、深度5〜10m以浅では反射面の連続性が悪く、地層面の形状を明確に把握することが困難である。その要因のひとつとして、この地域が河川敷にあたり、表層部が礫質の粗粒堆積物で占められ、堆積物が明確に成層していない可能性のあることが挙げられる。

図6−1−1 反射深度断面図[岡部S波A測線]

図6−1−2 反射深度断面図[岡部S波B測線]

図6−1−3 反射深度断面図[本庄S波測線]