図2−3−1に示した深谷P波測線の反射断面における堆積層の層序および形成年代を明らかにするため、深度150mのオールコアボーリングを実施した。その結果は図2−4−1に示すとおりである。
図2−4−1 深谷1孔柱状図および電気検層結果
上半部ではほとんどが砂礫で占められ、下半部ではシルト〜粘土と砂礫の互層状となっている。深度0〜74mと83〜116mに見られる砂礫卓越部や、深度74〜83mと116〜150mに見られるシルト・粘土卓越部が、反射記録とおおむね対応した結果となっている。また、コア観察より約30枚の火山灰が検出されたが、表2−4−1の分析結果より深度114m、131m付近に見られた軽石は榛名系火山灰の可能性が大きいことが明らかとなった。さらに、深度142m付近には厚さ10cmのガラス質火山灰が確認されたが、既存の広域火山灰との明確な対比はできなかった。しかし、この火山灰の特徴は柿ノ木台1、笠森5、鳴尾浜 IV などと一致することより、それらのいずれかに対比される可能性が大きい。形成年代は町田ほか(1980)によると柿ノ木台1、笠森5がそれぞれ60万、40万年前ころ、吉川ほか(1993)および市原(1993)より鳴尾浜 IV は30万年前ころに推定されている。
表2−4−1 火山灰分析結果の概要
一方、シルト・粘土に卓越した深度68m以深のボーリングコア試料を用いて古地磁気測定を実施した。得られた結果は図2−4−2に示すとおりであり、表層から孔底まで現在と同じ正磁極期、すなわちブリュンヌ正磁極期にあたることが判明した。また、深度120〜150m付近には地磁気が逆転する傾向が認められ、そのパターンより31万年前ころに報告されているLevantineイベントに対比される可能性が高いと考えられている(埼玉県,1999)。
したがって、上述の広域火山灰は30万年前ころの噴出と考えられている鳴尾浜 IV テフラに対比される可能性がある。