3−8 ガラス質火山灰と古地磁気の対比

本調査におけるボーリングコア(GL−142m付近;標高−101.624m)には、明瞭なガラス質火山灰が認められる。ガラスの屈折率の測定結果等から、この火山灰は大阪層群中の鳴尾浜(およそ60万年前)または上総層群中の柿ノ木台1(およそ30万年前)に対比される可能性が高いことがわかった。

ブリュンヌ正磁極期には、いくつかの短い地磁気の逆転(Excursion)が報告されている(表3−7−1)。このExcursionのパターンより、本ボーリングとの対比が可能である。今回GL−120〜150m(標高−79.62〜−109.62m)の地層にExcursionが認められた。既知のExcursionによると、31万年頃にLevantineと呼ばれるExcursionが認めらるが、60万年付近にはExcursionは報告されていない。従って、GL−120〜150m(標高−79.62〜−109.62m)付近に認められたExcursionはLevantine(31万年前)に対比される可能性が高い。

表3−7−1ブリュンヌ正磁極期に報告されたexcursion一覧表