(3)分析結果

深度300mまで実施したb`−1孔では、多くの資料の分析を行った。

その結果、広域テフラは、台地面のローム層中に認められるAT、及びTP、標高−20m付近に認められるTB−7,TB−8が検出されているにすぎない。また、有孔虫その他の分析も、その数が限られていることから確定的な広域地質との対比を行うことは本報告では避けるが、TB−7,TB−8は房総半島の清川層中に含まれるテフラで22〜23万年前の値が与えられている。なお、立川ローム層基底付近に分布するATは2.1〜2.2万年、武蔵野ローム層下部のTPは5万年弱の年代が与えられている。

地磁気測定の結果では、深度230〜240m間のH層中(標高−220m付近)に逆転層準が認められ、BRUNHES−MATUYAMA境界(B−M境界)が、この位置にあるとみることができる。この境界は73万年前とみられている。房総半島では上総層群中部の国本層にB−M境界が位置する。