(1)試料処理法

@約50gの試料を粉砕した後、500ccビーカーに入れ、10%KOHを加え撹拌し、一昼夜放置する。

A上澄みを捨て、水を加えながら1000ccビーカーに移し、水洗いを数回繰り返す。水洗いの過程で傾斜法により砂および粘土粒子の除去を行う。

B試料を100ccポリビーカーに移し、上澄みを捨てた後10%HClを少量加え撹拌し、ドラフト中に2〜3日放置する。その間、随時撹拌する。

C上澄みを捨て残渣をポリエチレン遠沈管に移し、遠沈して上澄み液を捨てる。

D36%HClを加え撹拌して一昼夜放置した後、遠沈して残渣に水を加えて撹拌し、遠沈洗浄を4回繰り返す。

Eガラスの遠沈管に移し、遠沈後残渣に氷酢酸を加え撹拌して遠沈する。

F残渣に無水酢酸と濃硫酸9:1の混合液を加え撹拌し、10分間湯煎の後遠沈する。

G残渣に氷酢酸を加え、撹拌し遠沈する。

H36%HClを加え撹拌して一昼夜放置する。

I遠沈して残渣に水を加え撹拌し、遠沈洗浄を4回繰り返す。

J蒸気の上にガラス板を置き、その上でスライドガラスとカバーガラスを温める。

K温めたグリセリンゼリーをスライドガラスの上に一滴落とす。

L処理を終えた試料の残渣に少量の水を加え、上記のグリセリンゼリーと混ぜる。

M水分を蒸発させた後カバーガラスをかける。

Nスライドガラスをガラス板から降ろし、冷えてからマニキュアで封入する。

検鏡にあたっては普通400倍で検鏡したが、必要に応じて600倍で検鏡した。木本花粉化石300個を同定し、かつその間に出現した全ての草本花粉化石およびシダ類胞子化石を同定した。