(2)T層

b`−1孔の深度244.19〜273.17m(標高−222.07〜−256.05m)間に認められ、@下部の礫層・砂層、およびA上部の砂・シルト互層からなる。

@の礫層は砂岩の円礫を主体として、チャートおよび粘板岩の円礫を含む。礫径は、2〜3pを主体としており、まれに径8pが存在する。基質は、暗オリーブ灰〜オリーブ黒色を呈する粗〜極粗粒砂からなる。下位の砂・シルト互層(J層)とは明瞭な境界をもって接する。砂層は、暗オリーブ灰色を呈する淘汰の良い細粒砂からなる。

Aの砂・シルト互層は、シルト勝ちの互層であり、砂層は細粒砂を主体とする。深度255〜258m間のシルト層には、板状の層理が発達する。深度244.90〜 245.50m間には貝化石片を、深度256.14〜256.15m、256.86〜256.87mおよび  257.40〜257.41m間には炭質物をそれぞれ含む。

本層上部で、地磁気の逆転が認められ(3.5.6章)、これは「BRUNHES−MATUYAMA(B−M)境界」に相当すると思われる。 また、3.5章に述べる分析の結果、やや冷涼な気候であったことが明らかとなった。