(2)加納地区

加納地区における地下地質の検討は、沖積低地を挟んだ約40mのオールコア・ボーリングで行った(図2−2−9参照)。階段状に下がる南の台地2本および北の舎人新田において1本を実施した。これらのボーリングの上部では層相の変化が大きかったが、下部にある腐植質の入るシルト層を鍵層として結ぶと図2−2−10に示すようになる。その結果、南の階段状に下る加納地区では地下の地層は約2/1000の傾斜率となっているが、地層のずれは認めにくい。しかし、沖積低地を挟む北方の舎人新田との間に約9mのずれが認められたとして、主断層は、地表で想定された綾瀬川断層の地点をはずれて、むしろ台地と低地との境界付近に考えた方がよいと判断している。

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