2−6−1 火山灰分析結果

No.1、2孔で確認された火山灰は以下の通りである。ガラス形態などの詳細は、表2−3に、ガラス、斜方輝石、角閃石の屈折率データシートを図2−9−1図2−9−2図2−9−3図2−9−4図2−9−5図2−9−6図2−9−7図2−9−8図2−9−9図2−9−10図2−9−11図2−10−1図2−10−2図2−10−3図2−10−4図2−10−5図2−10−6図2−10−7図2−10−8図2−11−1図2−11−2図2−11−3図2−11−4図2−11−5図2−11−6、に示す。

<No.1孔>

・深度103.90〜104.10m(標高‐82.90〜‐83.10m) :不明

・深度141.35〜141.50m(標高‐120.35〜‐120.50m) :カスリ火山灰

・深度172.30〜172.70m(標高‐151.30〜‐151.70m) :サクラ火山灰

・深度193.35m(標高‐172.35m) :栂火山灰

・深度208.95〜209.00m(標高‐187.95〜‐188.00m) :八町池T火山灰

・深度254.15〜254.40m(標高‐233.15〜‐233.40m) :狭山火山灰

<No.2孔>

・深度36.27m(標高‐82.90〜‐83.10m) :八町池T火山灰

・深度141.35〜141.50m(標高‐120.35〜‐120.50m) :トヨダ池火山灰?

・深度172.30〜172.70m(標高‐151.30〜‐151.70m) :アズキ火山灰

No.1孔の深度103.90〜104.10mに出現する火山灰は、層厚20cm、中〜細粒の灰白色を呈する火山灰である。大阪盆地南部地域でMa10付近で見られる火山灰としては、八田(はんだ)火山灰が挙げられるが、火山ガラスの屈折率は1.497−1.499、角閃石の屈折率は1.685−1.687であり(町田・新井,1994)、この火山灰とは一致しない。

No.2孔の深度141.35〜141.50mの火山灰は、大阪層群最下部団体研究会(1992)でも記載されているトヨダ池火山灰に、岩石記載的性質やガラスの屈折率が類似していることから対比可能と考えられる。

No.1孔で他の火山灰よりも層厚が厚かったサクラ火山灰、狭山火山灰をNo.2孔でも求めるために、No.2孔深度12.00〜14.00mと54.00〜57.00mで、10cm毎に火山灰の洗い出しを行った。しかし、両火山灰はまったく確認されなかった。