(1)原理

火山から噴出した火山灰は、その時点における地表あるいは水中(湖沼、内湾、海洋)に上空から降り注ぎ堆積する。多少の時間的な差を無視すれば、火山灰が堆積するのは地質学的には同時といってよい。したがって、離れた地域の地層の中に同一の火山灰が見いだされれば、その火山灰が挟まれる地層の岩相に関わりなく、火山灰の直下の地層面は同時に存在していたことになる。いま離れた地域でお互いに連続して堆積している地層中に同一の火山灰が挟まれているなら、少なくとも火山灰の直下に存在している地層は同時期に堆積していたということができる。このことを利用すれば、調査地点ごとに得られた柱状図中に同一の火山灰を見いだすことにより、同時期の地層を識別することができる。