1−4 調査結果の概要

今回の調査では、平成8・9年度の調査結果から撓曲構造を示すと考えられている久米田池断層の正確な上下変位量を求めるため、平成8年度の反射測線で認められた久米田池断層の上盤と下盤各1本ずつのボーリングを掘削した。上下盤で確実に分布が認められる火山灰として、Ma3層中のアズキ火山灰に着目し、それを目指して掘進を進めたが、予想以上に掘進長が長くなり、機械性能の限界により、やむを得ず下盤側ではアズキ火山灰まで掘削することはできなかった。

地層区分は、岩相・既往文献、火山灰層等を考慮して行った。断層の上盤、No.1孔ではMa3〜Ma10層までの海成粘土を、下盤側No.2孔ではMa3〜Ma7層を対比した。総合柱状図を図1−5図1−6に示す。なお、確認された火山灰層は以下の通りである。

<No.1孔>

・深度103.90〜104.10m(標高‐82.90〜‐83.10m) :不明

・深度141.35〜141.50m(標高‐120.35〜‐120.50m) :カスリ火山灰

・深度172.30〜172.70m(標高‐151.30〜‐151.70m) :サクラ火山灰

・深度193.35m(標高‐172.35m) :栂火山灰

・深度208.95〜209.00m(標高‐187.95〜‐188.00m) :八町池T火山灰

・深度254.15〜254.40m(標高‐233.15〜‐233.40m) :狭山火山灰

<No.2孔>

・深度36.27m(標高‐82.90〜‐83.10m) :八町池T火山灰

・深度141.35〜141.50m(標高‐120.35〜‐120.50m) :トヨダ池火山灰?

・深度172.30〜172.70m(標高‐151.30〜‐151.70m) :アズキ火山灰