(1)東トレンチでの地層の特徴

1層:現耕作土である。

2層:本層は、次のように細分される。

2a層:明黄褐色および灰色を呈するシルト。全体に中粒砂〜細礫をまばらに含むが、部的に砂分が多くなるのが認められる。下位の2b層との境界は比較的明瞭である。

2b層:シルト。砂分を含む上部の2b−a層と、砂分を含まない下部の2b−b層から構成される。

2b−a層:明黄褐色および灰色を呈する砂混じりシルト。中粒砂〜粗粒砂をごく少量含む。

2b−b層:明黄褐色を呈するシルト。下位の2c層との境界は、凹凸がみられる。

2c層:にぶい黄褐色を呈する砂層。粗粒砂〜細礫主体の粗砂である。

茶褐色を呈し、基質はシルト質中粒砂である。下位の2d層を削り込んで 堆積している。

2d層:シルト〜粘土主体層。砂分を含む上部の2d−a層と、砂分を含まない下部の2d−b層から構成される。

2d−a層:薄い灰色を呈する砂質シルト。マンガンの抽出物の小さな斑点がまばらに見られる。

2d−b層:乳白色を呈する粘土。マンガンの抽出物の斑点がまばらに見られる。

2e層:砂からなる。細砂〜中粒砂を主体とする。シルト分の混入の程度や、砂の粒度のより、上部の2e−a層、中部の2e−b層、下部の2e−c層に3区分できる。全体として下部から上部へと細粒化する正常分級をなしている。

2e−a層:シルト質細砂fで、わずかに腐植質となっている。やや紫色味を帯びた青灰色を呈する。

2e−b層:淘汰の良い細砂からなり、S3からS5の間で厚い。灰色を呈する。

2e−c層:中粒砂を主体とし、S1からS3の間で厚く、粗砂〜細砂が含まれる。灰白色を呈する。下位の3層を削り込んでいる。

3層:本層は、薄い黒褐色を呈する砂混じりシルトである。樹枝状の割れ目が多数入り、ブロック化している。割れ目は灰色の粘土、シルト、砂質シルト、細砂等によって充填されている。下位の4層との境界はやや明瞭で、凹凸がみられる。

4層(4b−a層):本層は、にぶい黄褐色を呈する砂質シルトである。樹枝状の割れ目が多数入り、ブロック化している。割れ目は灰色の粘土、シルト、砂質シルト等によって充填されている(写真4−3)。