(3)<花粉分析>

No.1ボーリングの下部大阪層群海成粘土層の上部にて花粉分析を行なった結果を以下に示す。

(花粉化石の出現率について)

各分類群の木本花粉が200個以上になるまで計数し、その間に存在した、草本花粉や胞子についても計数している。出現率は木本花粉の総数を基数として、木本、草本花粉の分類群ごとに出現率を示した。

(花粉組成)

No.1(11.0):針葉樹であるマツ属が50%以上の高率を示し、ツガ属、落葉広葉樹であるブナ属、常緑広葉樹であるアカガシ亜属を伴う。草本花粉はほとんど出現しない。

(結果・考察)

E亜帯の特徴として、ブナ属、コナラ属、コウヤマキ属、ツガ属を主要な花粉として含む。F亜帯になるとトウヒ属、ブナ属、ゴヨウマツ類を含み、淡水成層部では、カラマツ属、ミツガシワ属が検出されるという。これを考慮すると、No.1(11.0)はMa3層からMa4層までのE亜帯に属すると推定される。