(1)阪本地区

今回の調査は、平成8年度調査結果から撓曲構造を示すと考えられている坂本断層の正確な変位量を求めるために、ボーリングNo.1孔の東側とボーリングNo.2孔の西側に存在するであろう水平に近い堆積構造を示す火山灰層を見つけることを目的として、追加ボーリング調査を行った。

本調査の追加ボーリングNo.0孔と、No.3孔には撓曲構造の指標となる火山灰層は見られなかった。No.0ボーリングとNo.3ボーリングでは、A層、D〜B層及びE層の海成粘土層に約20〜30゚の傾斜が見られた。また平成8年度調査のボーリング孔とボーリングNo.2孔においても、A層、B層、D層及びE層の粘土層とC層の火山灰層に約20〜30°の傾斜が見られる。すなわち、これら4点のボーリングにおいて、全体として20〜30°の傾斜が見られ、大局的には大阪層群が北西方向に傾く、同斜構造帯中と考えられる。よって、本調査地点においては坂本断層による撓曲構造全体の規模を推定することはできない。しかし、隣接する反射法地震探査の断面(平成8年度報告書)などから再検討を行なった結果、幅数100m程度の大規模な撓曲構造を形成していると考えられる。

これらの結果から推定地質断面図(図3−11)を作成した。