2−4 調査結果

写真判読の結果、調査地域内には比較的明瞭なリニアメントが存在することが分かった。また、段丘の区分も行なった。

地表踏査では、宅地造成に伴い自然地形が消滅しており、地形面や露頭を現地で確認することは難しい。そのため地図を用いた地形断面を作成し崖地形の確認を行なった。坂本断層のリニアメントはその中でも比較的明瞭であり、北東南西に延びる崖地形が確認できた。さらに、この南西側の久米田池東縁をNNE走向で延びるリニアメントが存在することが確認された。これは、国土地理院発行の都市圏活断層図「岸和田」(1996)にも明記されている。

坂本断層は、北部では、丘陵部から平野部にかけて数本の断層に分れている。これは、信太山付近まで続く。これより南側では、断層は丘陵部と平野部の境界部分の1本のみになり、ほぼ南北に走向を変えて連続する。そして、槙尾川付近でリニアメントは不鮮明になる。一方、久米田池断層はこの槙尾川より南側から始まり、NNE走向で久米田池の東側を通過し、久米田池より約1.5km南の福田町付近でおわる。久米田池断層のリニアメントを空中写真で判読すると、特に久米田池南部の岡山町付近で明瞭な段差が認められる。しかしながら、近年ではその付近が宅地造成され、自然な断層崖が著しく損なわれている。