5−2−5 まとめ

火山灰層およびラミナの傾斜などから推定地質断面図(図5−9)を作成した。

No.1ボーリングおよびNo.2ボーリングでは約20〜30゚の傾斜が見られる。両ボーリングにおいて、傾斜に大きな変化がないことから、ボーリング孔間に大きな傾斜変換は推定されない。

両ボーリングコアで坂本断層による撓曲構造全体の規模を推定することはできない。しかし、浅層反射の断面などから幅数100m程度の大規模な撓曲構造を形成していると思われる。

坂本断層による撓曲構造のなかでの今回の両ボーリングの位置は、次のように考えられる。

No.1ボーリング以東から地層が傾斜し始め、No.1ボーリングで約20゚の傾斜になり、傾斜変換点から傾斜がきつくなり始め、No.2ボーリングで30゚の傾斜を持ち、より西側に再度傾斜変換点があり、地層の傾きが緩くなると推定される。

正確な坂本断層の変位量を求めるには今回の調査地点より西側および東側で深いボーリング調査を行い、撓曲の幅を明らかにする必要があると思われる。

火山灰分析の結果、2本のコア中に挟在される火山灰層は対比され、それらは池田下火山灰に対比される可能性が非常に高い。池田下火山灰はMa5層より下位に挟在されるため、火山灰層直上の粘土層はMa5層に相当すると思われる。