3−3−3 使用機器

@震源:油圧インパクター(JMI−200)

地面に圧着したベースプレートを、ガス圧で加速したピストンで打撃する、一種の重錐落下震源を車載したもので(株)地球科学総合研究所が開発した。起震力は、最大で100kgの重錐を高さ6mから落下させた場合に相当する。

発生する波はパルスであるが、比較的高い周波数までの広帯域の波を発生できる。このため、浅層の解析が可能である。また、舗装道路上でも使用可能であり、自走できるので移動が容易である。

図3−11に油圧インパクターの外形図を示す。

A探鉱機:BISON 9060A

IFP(フローティングポイントでAD変換をする)機能をもつ探鉱機で最大60chの収録が可能。記録の加算はメモリー上で行い、記録はハードディスク上に書き込まれる。機器の諸元は以下の通りである。

・チャンネル数  :最大60チャンネル

・収録データ長  :最大24000データ(60ch収録時)

・サンプリング間隔:0.05〜4.0msecまで10段階

・データ書式   :SEG2 FORMAT

・周波数特性   :4〜4000Hz

・ビット数    :16bit

・分解能     :80db

・フィルター   :ハイカット 60〜4000Hzまで9段階

   :ローカット 4〜1024Hzまで4Hzステップ

・ゲインコントロール:0〜60dbまで20dbステップ

B地震計:SENSOR SM−11

・固有周波数   :30Hz

・グルーピング :6個/グループ

Cその他の機材

・ロータロング:RLS240(I/O社)

 最大入力チャンネル240ch、最大出力チャンネル144chをもつ。

・本線ケーブル:Mark Products

・中継ケーブル:Mark Products

・無線機 :日本無線(5Wおよび1W)

表3−1 デ−タ処理手順および処理諸元一覧表

@初期編集: 不良デ−タの除去、CMP編集

A初期処理:イ.プレ・バンドパス・フィルターリング 18〜125Hz

 ロ.位相特性補償

  探鉱機の位相特性を補償するフィルタ−処理を実施。

B振幅補償:イ.原記録より統計的に求めた振幅特性カーブを用いた補償

 ロ.各トレ−ス別にゲート幅200msecで自動振幅補償(AAC)

Cデコンボリュ−ション :

・タイプ … タイムバリアント・プレディクティブ・デコン

・自己相関を算出するゲ−ト長 … 1000msec

・フィルタ−・オペレ−タ−長 … 100msec

・ホワイトニング・ノイズ … 3 %

・予測長 … 3msec 〜 7msec

D振幅補償:イ.原記録より統計的に求めた振幅特性カーブを用いた補償

 ロ.各トレ−ス別にゲート幅200msecで自動振幅補償(AAC)

E表層静補正:観測記録の初動を読み取り、このデ−タをもとに屈折波トモグラフィー手法を用いて、静補正値を算出。

F標高静補正 :CMP内の平均標高と各トレ−スの震源・受震点標高との差を1650m/secの表層速度を仮定して静補正。

G速度解析 : CVS法、およびセンブランスを用いた速度スペクトル法を併用して実施。

H残留静補正 : 最大補正量を6msecに制限した自動残留静補正。

INMO補正・ミュ−ト

J重 合

Kタイムバリアント・フィルター :

 0〜300msec : 25 −120Hz

 300〜600msec : 20 − 90Hz

 600msec 〜 : 18 − 70Hz

Lマイグレ−ション:FK法に基づく波動場補外法(下方接続)による。

M深度変換

N標高静補正 : 基準標高と各CMPの平均標高との差を1650m/secの表層速度を仮定して静補正。