1−6 今後の検討課題

北部地域では、沖積の堆積物が非常に少なく、また、適切な場所があっても、人工造成・土地開発によって表土が剥ぎ取られている。そのため、今後活断層の履歴調査が可能な場所を選定することは非常に難しい。ただし、先に行われた地質調査所の神崎川における反射法地震探査結果から、上町断層と仏念寺山断層間の断層通過位置が明らかになった。この調査を踏まえて、今後神崎川にて群列ボーリングを行い、変位量の測定を行なうことが北部の断層活動の解明につながると考えられる。

南部泉北地域では最終的な撓曲の変位量を明らかにする必要がある。また、反射法地震探査結果より、従来上町断層系の南端と考えられていた坂本断層よりも、久米田池断層の方が基盤のずれが明瞭で規模が大きく、本地域では坂本断層は活動性は小さく、前面側の断層に活動が移っている可能性が高い。この断層は北部から連続する上町断層系と走向が同じであり、大阪層群を大きく変位させていることから、上町断層系の延長部であると考えられる。よって、今後はこの断層についてのくわしい調査が必要である。この断層の調査にはトレンチおよびボーリング調査を行なうと同時に、今回の反射法探査では測線の末端部にあたり明瞭に捉えられなかった堆積構造の連続性を追跡するためにも、反射法地震探査の実施も必要である。