1−5−1 北部地域

北部地域の調査では火山灰層を鍵層として、現在までの下盤側の地層の傾き量や構造を推定し、花粉分析などから上盤側の地層とは水平には連続しておらず、この間に断層あるいは撓曲が存在すると推定できた。しかし、沖積層が非常に薄く最近の断層活動についてのデータを得る事ができなかった。今回の調査ではMa4層・5層が大きく変位している事が推定され、既存のデータによれば、地表では断層付近に分布するMa7層などが大きく変位を受けていると予想されるため(市原、1993)少なくとも過去数十万年以降に活動したと考えられる。

仏念寺山断層の南端部の神崎川河川敷にて地質調査所が実施した弾性波地震探査結果からは(図1−20)、地層の撓曲構造が明瞭に観察される。この事から、仏念寺山断層は南端部が上町断層に連続するものと考えられる。