(1)分布構造

基盤岩(R層)はAトレンチでは深度約4.0m付近に、Bトレンチではやや深く深度4.5m付近に出現する。基盤岩上位には、礫層および粘土質層からなる未固結堆積物が互層しほぼ水平に分布する。

Aトレンチでは、これらの未固結堆積物は下位よりG1層(巨礫層)・M1層(粘土層)とその上位のG2層(細礫層)・M2層(シルト層)およびG3層(細礫層)に区分される。このうちG2層は北側から南側に向かって層相の変化がみられ、南側ほど下部層が優勢となる。下部層は比較的に粒径が大きく、また淘汰が悪くなる傾向が認められる。上部層では長さ1m×厚さ0。2m程度の砂層をレンズ状に狭在している。M2層は南側に向かって層厚を減じている。G3層の上部は旧表土ないし耕作土と思われその下部と区分される。G3層の上位は地表まで連続したM3層(耕作土)として区分される。Bトレンチでも同様の層序がみられるが、R層(基盤岩)からG2層(細礫層)までが出現する。G2層はAトレンチよりも層厚を増しているが下部層のみがみられ、地表まで連続して分布している。したがって、その上位層の分布はみられない。すなわち、G1層(巨礫層)・M1層(粘土層)は層相および層厚ともほぼ変化がみられず調査地域内に分布しており、一方G2層(細礫層)・M2層(シルト層)およびG3層(細礫層)は南東側により下位の地層が優勢となり上位層ほどその分布はみられなくなっている。

このような状況から、G1層(巨礫層)・M1層(粘土層)は本流型に、その上位のG2層(細礫層)・M2層(シルト層)およびG3層(細礫層)は支流型の堆積物として区分されるものと思われる。