(5)G2層

@ 分布・構造

本層は西町Aトレンチおよび同A'トレンチにわたって分布しており、活断層に切られている地層である。

本層の分布状況は活断層の南北で異なっている。北側において、本層はG1層を直接覆って堆積しているが、南側では基盤岩を直接覆って堆積している。層厚についても南側では0.5〜1m程度であるが、北側では2〜2.5m程度と厚い。

しかし、本層の上面は、多少の凹凸はあるが、両トレンチを通じて、水平基準線の上、のり長で1m程度に位置している。ただし、西町A'トレンチにおける活断層分布位置付近では同基準線の上、1.5m程度とそこで若干盛り上がったようなかたちをなしている。また、本層中に混入している礫は活断層近傍で高角度に再配列している。なお、本層の上部を対象として実施された西町Cトレンチ底面において、ほぼNE方向の境界面をもつ下記の2つの地層がみられた。この2層のセットはほぼN60°

イ. G2g層

本層は径100〜200mm程度の亜角〜亜円礫を含み、細礫主体の基質をもつ。これはG2層本来の土性を示す部分である。

ロ. G2s層

本層は径数10mm程度の亜円〜亜角礫を含み、砂主体の基質をもつ。W方向のラインに沿って食い違っている。変位の方向は左横ずれで、横ずれ量は1.6〜2.0mである。それとともに、両者の境界は左横ずれ的に撓み、このラインに沿って礫が並んでいるようにみえる。以上より、このラインは左横ずれの活断層であるものと考えられる。

A 土 質

本層は礫支持型の砂礫から構成されている。砂礫の締まり状態は緩く、スコップで崩すことができるほどである。礫径をみると、径100〜400mm程度程度のものが主体である。この巨礫は本層中にまんべんなく混入している。礫の円摩度は亜円〜亜角である。礫種ははんれい岩・緑色岩・粘板岩、等を主体としている。基質は細礫を主体としている。

B 混入物

本層中には緩い締まり状態にある粗砂のレンズ(有機質シルトの薄層を伴うものもある)やシルトのレンズが稀に挟在している。ただし、これらのレンズは活断層の北側に認められるのみで、南側には分布していない。また、西町Cトレンチの底面において、材が混入していることが認められた。