(1)A測線

反射時間断面図上で確認できる2枚の顕著な反射面のうち、a反射面を礫層、b反射面を基盤と解釈した。試錐結果との対比から、地表からa反射面間は耕作土、堆積粘土層、崖錐堆積物などに、a〜b反射面間は含中〜大礫河川堆積物に、b反射面以深は基盤岩類にそれぞれ相当する。

a反射面およびb反射面は66m地点より南側(図では左側)では連続性に急激な変化が見られる。a反射面は66m地点よりも北側(図では右側)では連続性の良い反射波として認められる。b反射面はa反射面と同様に66m地点よりも北側では強い反射波として認められ、そのうち距離程28mから47mの区間で反射波が分離している様子が見られる。

反射深度断面図上で基盤深度は、66m地点で標高差3.5mの北下がりの変化が見られる。66m地点よりも北側では地表からの深度は5〜8m程度で分布しており、そのうち距離程23mから27m区間には標高差1.5mの窪みが、距離程45mから53m区間には標高差2.5mの窪みがそれぞれ見られる。

反射法地震探査からは上記の3地点が断層運動に起因するなんらかの地層構造の変化区域であると示唆する。なお、b反射面の分離区間は、2次元比抵抗電気探査の低比抵抗部分とよく整合しているのが確認できたことから、なんらかの岩相・岩質変化を示すものであると解釈した。