4−2−4 データ処理

反射法探査のデータ処理は(株)ダイヤコンサルタントデータ処理センターにて、以下に挙げるソフトウェアおよびハードウェアで行った。

ソフトウェア :シーエスディー社製/対話型処理ソフトウェア:FOCUS

ハードウェア

スーパーコンピューティング・サーバ:シリコン・グラフィックス社製/パワーチャレンジ

プロッター:富士ゼロックス社製/XEROX 4036

耕作土と河川堆積物の影響を補正するために、初動データを用いた静補正を用いた。とくにA測線は地形に起伏があるので、屈折法を適用した静補正を実施し、標高差による影響を取り除いた。その他は一般的に行われる手法と作業の流れでデータ処理を進めた。図4−2−4にデータ処理のフローチャートを示す。図4−2−5図4−2−6はそれぞれA測線とB測線の反射時間断面図である。反射時間断面図は地震トレースと呼ぶ波形記録の連続表示であり、波形の強弱で地層構造を表現している。データ処理では各地震トレースを受振点間隔と等しくなるように加工した。なお、データ処理の基準面は海抜261mのレベルとしたが、A測線とB測線は測線の標高が異なっているため、データ処理の基準面の時間深度はA測線とB測線とでは20ms異なっている。よって、反射時間断面図の基準面である時間0秒の位置は、データ処理上の仮の基準面であり、地表を表しているものではない。またB測線の距離程はA測線の距離程を平行移動させてB測線上に投影したものである。反射時間断面図は地表から探査対象層までの地震波の往復時間で表示されている。一方、地質データと整合させるために、反射時間断面図を深度表示に変換したものが反射深度断面図である。図4−2−7図4−2−8はそれぞれA測線とB測線の反射深度断面図である。

反射面を深度に変換する場合には地層の地震波速度構造が必要で、今回は現場記録を用いた屈折法解析手法によって地層構造を2層構造として解析し、1層目と2層目の深度分布および地震波伝播速度を求めた後に、前出の時間断面に速度構造を適用して深度変換を行った。深度変換に使用した地震波速度は1層目が60m/sec、2層目がA測線では332m/sec、B測線では300m/sec、3層目に相当する基盤内の地震波速度は、屈折法解析では確認できなかったので両方とも600m/secと仮定した。なお、反射深度断面図は標高で表示してあり、反射面とともに地表の形状を表示してある。