4−2−2 現地測定

浅層反射法地震探査を平成8年10月12日〜10月14日に実施した。探査測線は試錐孔に沿って設定したA測線(測線長72m)と、A測線の南東側に20m平行移動したB測線(測線長30m)を設定して測定した。図4−2−3に測線位置図を示す。

西町地区では今回探査対象とした基盤の深度が10m以浅と予想されたので、受振点間隔を0.25mとして極浅部からの反射波を捕らえることを目標とした。受振器は水平動を受振するために地面に横向きに設置した。

発振点は測線の北端からA測線では受振点間隔の2倍(0.5m)、B測線では4倍(1m)の間隔で移動し、発振作業は測線の南端に達したところで終了した。1回の発振では120点(受信範囲は30m)の受振点で同時に反射信号を測定することから、A測線では作業効率を高めるために、あらかじめ地表に受振点数以上の受振器を設置して測定した。

すべての受振器はケーブルで測定システムに接続しており、発振点の移動に伴って受振点が移動する場合は、測定システム側のスイッチを切り替えることで電気的に移動させる方法を取った。このとき、図4−2−2に示すように発振点は測定中の受振器群の0.25m北側に来るようにスイッチ操作を行ったエンドショット方式で測定した。 一方B測線では測線長が30mであるので、120点の受振点を固定して測定する固定展開方式で測定した。

発振には鉄製の震源板を水平方向に打撃してSH波を発生させる方法を採用した。発振時には作業員による上載荷重によって発振面を地面に密着させ、振動が地中へ効率よく伝達するように考慮した。さらに逆方向発振を実施して受振記録の極性が反転することを確認し、SH波が発生していることを確認した。SH波は発振エネルギーが小さいので、同一発振点上で4回繰り返し発振して記録の品質を高める方法をとった。

測定記録は測定システムにより、磁気テープ上に記録した。同時に記録紙に測定結果を出力することで現場におけるデータの品質管理を行った。