5−1−1 陸域の活断層

今回の調査において明らかになった調査地域中の活断層の特徴を踏まえ、今後、調査の地域の地震防災計画策定の基礎資料を整えるための調査をどのようにすすめるべきかを検討した。

@比較的活動度が低いと判断される北部地域の断層群については、その中でも相対的に活動性が高いと判断される唐木山断層を代表地点として、トレンチ調査を行い、活動性を検討し、その結果との比較でこの地域の断層群の評価を確定する。

A日出地域の断層についても、代表地点でトレンチ調査を行い、活動性の評価を行う。

B総じて活動性が高いと判断される別府北断層系及びそれ以南の断層群及び地溝南縁の由布院・堀田・朝見川断層については、断層の性状からみた地域区分に対応した地溝横断方向の2本の測線(@十文字原−堀田・朝見川測線、A日出生−由布院測線)を設定し、その測線上の断層群全体について活動性を評価する。

C特に、朝見川断層は、中間海域を経て、大分市内へ連続する可能性が高いので、海域部を含めた連続性、活動度について、大分市内での調査(反射法弾性波探査による地下構造の把握、ボーリング調査による活動性の検討)を含め、総合的に検討・評価する。

D @〜Cの活断層評価の上で、重要な変位基準面となりうる地層について年代を決定する。(十文字原・日出生台地域の火砕流堆積物、由布岳・鶴見岳の新しい火山噴出物など)。

E海域の活動性については、既往の研究資料(島崎・岡村ら)にもとづき活動性や陸上の断層群との関係を検討するが、最も活動性の高い別府湾中央断層系や陸域に近い大野川河口東方沖の断層群については、調査データが不足しているので、音波探査や断層を挟んだコアリングによって詳細な活動性評価のためのデータを収集する。

@〜Eを踏まえ、調査地域の活断層群全体について、地震防災上必要な評価を行う。