(2)活断層

前述のように、段丘面の分布からみて、調査地域は後期更新世以後全体に沈降域にあったことが示唆される。

調査地域には上記の各段丘面を変位基準としてこれらを変位させている軒ノ井・新貝・平原の3条の(活)断層がみられる。このうち前2者は、九州活構造研究会(1989)や活断層研究会(1991)で既に報告されているが、平原断層は今回新たに見出したものである。また、軒ノ井・平原の2断層については、リニアメント付近で大分層群を変位させている断層路頭を見出した(Loc.10,12)。

変位の向きは、軒ノ井・新貝の2断層が南落ち、平原断層が北落ちである。地形面や断層路頭での地層の変位量からみた断層の活動度はいずれもC級かそれ以下である。

これらの断層の最新活動時期や活動時期の詳細については、現段階ではデータは得られていない。この中で地形的に最も明瞭であるのは、軒ノ井断層であるから、次年度以降にトレンチ調査(例えばLoc.11)等によりこの断層の活動性を評価できれば、その結果と比較することで本地域の活断層群についての評価が可能と考えられる。