1−3−3 試料分析

既述のように、トレンチ調査、ボーリング調査等によって得られた試料を用いて、 地層対比・断層の活動年代決定のための分析を行った。分析項目及び要領は、以下の 通りである。数量や分析方法の詳細は、調査目的を考慮して決定し、委員会の承認を 得た。

14C年代測定 :動植物遺体(化石)、腐植物などの試料について行う。試料の種類や目的に応じて、炭素の抽出方法・測定方法・測定時間等に関して、最適な方法を採用した。     

テフラ試料分析:火山灰・軽石・スコリア・火砕流堆積物等について、鉱物組成分析、火山ガラスの形態分析・火山ガラスや鉱物の屈折率測定を行い、その結果に基づいて、既往文献資料等をもとに対比を行い、噴出源や噴出年代を決定した。その他の地質試料についても、必要に応じて、火山ガラスの抽出及び同定を試みた。

帯磁率測定  :肉眼観察では明瞭な地質境界が確認できないボーリングコアについて委員会の指示にもとづき実施した。

Bartington Instruments社製の測定器を用いて、半割したコアを2cmピッチで測定した。

フィッション・トラック法年代測定 :重要な変位基準面であるが、14C年代測定、K−Ar法年代測定では、測定が困難と予想された火砕流堆積物の年代を決定するために実施した。

各手法の詳細については、巻末資料にまとめた。