(4)北側の断層を挟むボーリング調査結果

北側の断層は旧海岸線付近に位置している断層の北側は埋立地であり、その間は橋梁でつながっている。また、埋立地側の道路は、ケーソン基礎であり、反射法探査での起振ができない。このため、断層を挟む浅部反射法探査(S波)の測線を展開することできず、断層付近の詳細な情報は、ボーリングによるもののみとなった。

断層を挟むボーリング対比図(図2−4−1−8)から、以下の点が読み取れる。

a.断層による地層の変形は、No.7孔から北側にみられ、この孔の北側20mに位置するNo.6孔では、断層による変形を受けて、No.7孔と同層準の地層の分布標高が、No.7孔より低下している。しかしなから、さらに北側のNo.5孔と比べると、No.5−No.6間でも地層の分布標高の低下がみられ、この断層による変形は、かなり広い範囲に及んでいると考えられる。これは、深部および中深部反射法探査で得られた反射断面で読み取れる地質分布の特徴と整合的である。

b.地層対比から読み取れる断層による変位量は、次のとおりである。

             No.5−No.7間        No.5−No.4間

砂礫層下限        9〜11m           約12m

K−Ah火山灰層下限     26.5m           約30m 

完新世の海成層下限     −            約 48m