2−5 断層の活動性の地域性

海域の音波探査結果をみると、大分市に近い測線(N9測線など、図3−6参照)では、表層のA1層には断層運動に起因するような明瞭な変形構造は認められず、別府市に近い測線(N15測線など、図3−6参照)の推定断層の近傍では、表層付近の地層まで変形している。このことからみると、南岸断層の最新活動時期が、高崎山沖合付近を境に異なる(大分市側では別府市側に比べてやや古い)という可能性、さらには、活動度が異なる可能性が考えられる。断層本体が確認できていないため、音波探査データも確定的なものではないが、大分市内の伏在断層と堀田−朝見川断層でK−Ah火山灰の上下方向変位量が異なること(後者では前者の約2倍)も合わせて考えると、両断層は、地震断層としてのセグメントが異なっていることも考えられる。今後の調査では、このような観点での検討も必要と思われる。