2−4 断層の活動イベント

大分市内の府内城東方で掘削したボーリングのコアを用いて、層相変化や火山灰、含まれる貝化石集団、含まれる炭化物や貝化石の14C年代等を解析し、これをもとにコア間の地層対比を行い、断層の活動イベントを解析したところ、次のような結果となった。

○大分市内の群列ボーリング調査をもとに抽出された断層の活動イベント

現在得られているデータからは、次の2通り(図2−11)の活動史が考えられる(図2−8図2−9参照)。

沖積層浅部(5,000年BPより新しい地層)の区分と対比に未解決の問題が残っているため、最新活動時期についてのいずれの見解が妥当であるかは、現時点では確定できない。ボーリングコア中の小断層の出現層準からみると、3,500年BP以後にも何らかの構造運動があった可能性があるが、ほかの成因によって生じた構造であることも否定できないため、確定的な証拠とはいえない。

しかしながら、この2つのどちらを採用するかで、地震防災上の活断層評価はかなり異なったものになってしまう。今後の調査においては、この点の解明が第1の課題と考えられる。