2−4−1 調査地点及び調査範囲の設定経緯の概要

図2−1にシングルチャンネル音波探査の航跡図を示す。探査測線は大分港の西側海上、東別府から大分市住吉泊地間の沖合約1kmの範囲で24測線(総延長約40km)を実施した。既往の調査記録によれば、高崎山沖合いを中心とした広い地域で地層内に音波が透過しない音波散乱層が確認されている。この為、今回の調査では音波散乱域にかかる高崎山付近よりも大分港西側海域で測線を密に配置した他、既存資料との対比が可能なように住吉泊地まで延ばした測線も設定した。

図2−2にピストンコアリングの採取位置図を示す。大在沖断層群については既往の調査結果により、断層群の位置やウェッジ堆積物の分布は概ね把握されていた(図2−2中に図示)。これらの断層群の中で、断層イベント発生時に堆積したと考えられるウェッジ堆積物が、特に明瞭な分布を示しているものを抽出し、更に今回の調査前に再度ソノプローブ音波探査を行って(図中青線の航跡が今回探査分)詳細な位置を見極めた上でコアリング地点を決定した。コアリング地点は3個所とし、それぞれ断層の相対的上盤側(オレンジ・ブイ)、断層直上(イエロー・ブイ)、相対的下盤側(ピンク・ブイ)に配した(図2−3)。これらの地点より、各々2本づつ計6本のコアを採取した。

図2−1 シングルチャンネル音波探査 航跡図

図2−2 ピストンコアリング実施箇所 位置図