(4)14C年代測定結果

コア中から抽出した原地性と判断される貝化石やウニなどの化石と、泥炭層の試料を用いて、14C年代測定を行った(表3−5−1−1−2参照)。結果を表3−5−1−1−2にまとめた。

表3−5−1−1−2   14C年代測定試料の内訳

測定結果の考察

分析結果と試料の層準の関係をみると、次のような問題のある試料が含まれている。

a.貝化石で、年代の古い値が層序的に上位から出現していることがある。これは、より古い化石の再堆積によると考えられる。年代の逆転の幅は、概ね200〜500年以下である。

b.木片の年代値が周辺の他の年代値に比べてかなり古い。これは、古い木片の再堆積によると考えられる。年代の逆転の幅は、1,000年以上である。

c.泥炭〜炭質粘土の年代値が周辺の他の年代値に比べてやや若い。これには、試料採取後、何らかの形で現世の炭素の影響があった可能性が考えられる。

このうち、a.のような試料は、基本的には検討対象からはずしたが、年代の逆転の幅が小さいため、地層の年代幅の検討などにおいては参考地として扱った。b.の試料は、全く検討から除外した。c.については、周辺の年代値(特に貝化石での値)との比較を行い、常に”若返り”の可能性を考慮して参照した。