今回、詳細調査は実施していないが、上下方向の平均変位速度からみた活動度はＢ（ＢＬ）級であり、変位センス等も含め、亀川断層に類似している。

鉄輪断層の地形・地質調査結果

※平成１０年度報告書より転載

１）断層の概要

　　　　　　　　　　　　九州活構造研究会（１９８９）　　　　　　　　　　　　活断層研究会（１９９１）

確　実　度　　　　　　　　　　　　�U　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　�U

長　　　さ（�q）　　　　　　　　　　　３　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３

走　　　向　　　　　　　　　　　　ＥＷ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＷ

変位の向き　　　　　　　　　Ｎ上がり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｎ上がり

変位基準と　　実相寺火山溶岩（２０万年）に３７ｍの　　　　　実相寺火山溶岩（２０万年）に３７ｍの

変　位　量　　　断層崖。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　断層崖。

平均変位速度　　　　　　上下方向　０．１９　　　　　　　　　　　　　　　　上下方向　０．１９

　（ｍ／千年）　　　　　　　　水平方向　−　　　　　　　　　　　　　　　　　水平方向　−

活　動　度　　　　　　　　　　　　　Ｂ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｂ

２）その他の既往資料

・大分自動車道のボーリング資料によると、本断層の西方延長にあたる明バン温泉付近で高平山火山溶岩の分布標高が約４０ｍ南に落ちている。

・本断層に沿って「地獄」がならぶ。

３）空中写真判読結果

・貴船城の直下で実相寺山溶岩の上面に約４０ｍの南落ちの変位がみられる。

・貴船城の東方から明バン温泉にかけては断層付近にグラーベン状の凹地がみられる。

・照湯付近から西方ではリニアメントとしての連続性は不明瞭になる。

・明バン温泉南方の鉄輪岩屑なだれ堆積物から成る尾根上に、東西方向のグラーベン状の凹地がみられる。

４）地表踏査結果

・海地獄付近から貴船城東方にかけては人工改変が著しく、踏査によって情報を得ることは難しい。

・明バン温泉の南方で上記のグラーベン状の凹地に対応する断層を確認した（明バン南断層参照）。

５）評　　　価

・平均変位速度と活動度についての評価は、九州活構造研究会（１９８９）にほぼ同じ。

・最新活動時期についての情報は得られていない。