6−3 <補論 : 各イベントでの変位置について>

前述したように、後背湿地堆積物とみなされる泥炭層は、海水準付近からやや高い標高で形成されたと推定される(仮定@)。

また、断層の上り側の砂礫層の下限と落ち側を最終的に埋積した砂礫の下限の標高が、ほぼ上記していることからみて、このような河川成の砂礫層が形成される堆積場の下限は、ほぼ海水準下5〜6m付近と推定される。(仮定A)

さらに、断層の落ち側では、断層活動の前に形成された堆積物が原則として保存されると考えられる。(仮定B)

この3つの仮定をもとに、断層落ち側のNo.6孔にみられる堆積について、堆積当時の標高を推定し、現在の分布標高と比較すると、図1のようになり、この図から、各断層活動イベントでの変位量が次のように推定できることになる。

イベントT :4.3〜6.0[≒5m]  

イベントU : (8.4〜10.8m)−(イベントTの変異量)[≒4m]