6−1−2 断層の形態・変位の向き

断層全体としての変位の向きは、北落ちであるが、反射断面や府内城測線の群列ボーリング結果から解釈すると、府内断層は、北傾斜で北落ちの主断層とそれとantitheticな関係にある南傾斜で南落ちの断層からなり、全体にグラーベン状の形態を成していると考えられる。この形態は、スケールの異なる複数の反射断面で確認できる(図6−1−3参照)。より大きなスケールでみると、北傾斜の主断層は、地下深部で傾斜が緩くなり、リストリック断層の形態を示す。(図6−1−3下の図)

個々の断層についてみると、北傾斜の断層にも、沖積層の表層付近の地層まで変位させているものと、沖積層の中部でとまっているものがあり、時期によって断層活動の位置が変化した可能性が考えられる。 また、主断層位置を挟んで100〜200m幅の部分が断層運動による変形をこうむっている。

このような、断層の形態・変形幅などを、別府湾中央断層と比べると、両者は規模、形態がほぼ類似している(図6−1−4参照)。