6−9 想定される地震の規模

地震の規模を示す尺度として,断層運動の大きさを示す地震モーメントから算出されるモーメントマグニチュードを求める.地震モーメント(M)及びモーメントマグニチュード (M)は,以下に示す式によって算出される.

=μLWDf

=2/3×log(MO)−10.7

 μ:剛性率(3×1011dyn/cm2)

 L:断層面の長さ(cm)

 W:断層面の幅(cm)

 Df:断層面上での変位量(cm)

地震モーメントを算出するにあたって,加治川断層と月岡断層帯が単独のセグメントとして活動することを想定し長さを約50qとした.また,日本列島陸域では,深さ約20qを越える地下深部では地震が発生していないことから,断層面の深さを15〜20qと仮定し,月岡断層帯の反射法地震探査で明らかになった断層面の傾斜角60゚から断層面の幅を算出した(W=1.7〜2.3×10p).また,断層面上での変位量(Df)を月岡断層帯調査で得られた5〜6×10pとした.これにより,

=1.3〜2.1×1027dyn/cm

=7.37〜7.51

となり,加治川断層と月岡断層帯とが同時に活動する際の地震規模は,マグニチュード(M)7.4〜7.5程度と推定される.