5−4−1 地形縦断測量

古寺地区で,地形縦断測量を実施し沖積扇状地の扇央付近にピット(P−3)を掘削した.ピット調査位置を図19に,地形縦断測量結果及び柱状図を図20に示す.

地形縦断測量の結果,ピット地点より西側では地表面の傾斜が約1゚で,ピット地点より東側のそれは約4゚である.このように,沖積扇状地の扇頂から扇央にかけて地表面の傾斜が緩く,扇央から扇端はやや傾斜が急になっている.この沖積扇状地の扇面には休耕田が分布し,休耕田の畦畔付近が切り盛りによって人工改変されている.しかし,休耕田の規模が小さいので,断面図上で各休耕田の中央付近を連ねた線の傾斜は,原面の傾斜に近いと推定される.

一般的な扇状地面の傾斜は,扇頂から扇端にかけてほぼ一定であるか,あるいは扇頂の方が急である.今回の地形測量の結果は,この一般的な扇状地面の傾斜の傾向とは異なっており,沖積扇状地の扇面を切る断層の存在が推定される.