5−2−4 断層・変形構造

トレンチ内の未固結堆積物には明瞭な断層による破断は認められなかった.鍬江層のシルト岩に角礫状部が認められ,ボーリングコアで確認された断層近傍のシルト岩破砕部に相当する.

北側壁面,南側壁面ともWb層及びその上位の地層はほぼ水平に堆積しており,これらの地層に断層活動による変位・変形は認められない.Wc層及びWd層は5〜15゚程度東に傾斜しているが,Xe層がXa層にアバットし,堆積構造が水平に近いので,Wc層〜We層は,断層による変位・変形は受けていないと推定される.また,X層は一部侵食されるが,ほぼ等厚で鍬江層の上面に沿って分布しており,断層による変形を受けている可能性がある.

※1:アバット及び指交:下図に示す(木村ほか,1973).

図001