6−2−1 貝塚地区

本断層が約2,900〜4,000年前の地層を変位させているとすれば,深度5mのトレンチ調査で断層活動による変位・変形を確認することができる.このため,検討課題を満足する調査方法としてトレンチ調査を提案する(図6−2−1及び図6−2−2参照).

トレンチはKZ−13付近を中心として,東西方向に底面の長さを5m程度とする.当地区に分布する砂及び礫層は含水状態では非常に緩く崩壊する恐れがあるため,トレンチ壁面を保護することを目的とし,掘削面の勾配を1:1とする.さらに,トレンチの周囲をシートパイル(21×18×5〜7m)で囲みトレンチ内の水位を低下させてから掘削作業を行う.

トレンチ調査では,トレンチ壁面の観察,スケッチ(縮尺20分の1),写真撮影,年代試料採取を行う.観察は,地層を単層毎に区分し,単層毎の層相,変形構造,地層境界の性状,層位関係,断層・亀裂,液状化跡などについて詳細に行う.断層活動が生じた層準及び地震動の痕跡を認定する.これにより,加治川断層の実態を確認し,最新活動時期,単位変位量等を把握する.