2 調査内容及び調査の流れ

調査対象とした活断層は,地震調査研究推進本部が効率的に活断層調査を実施することを目的として選定した「基盤的調査観測の対象活断層,No. 25」の櫛形山脈断層帯である(図2−1).

櫛形山脈断層帯を構成する各断層は,断層の活動性に関する詳細な調査は行われておらず,各断層の連続性,活動性について未解明な部分が多い.また,南方の月岡断層帯と同様の変位様式,走向,地形的特徴を有しているにも関わらず,両断層帯の関連性,連続性について詳細な検討がなされていない.

櫛形山脈断層帯の調査にあたっては,月岡断層帯との関係を検討するため,本断層帯の西側に分布する加治川断層,櫛形山地西方断層及びその周辺の断層に重点を置き,平成10年度以降,調査を実施している.初年度にあたる平成10年度は,文献調査,空中写真判読,地表踏査及びピット掘削調査を実施し,櫛形山脈断層帯の位置,長さ,平均変位速度を求めるための資料を得た.また,活動性を評価するための詳細調査(ボーリング調査,トレンチ調査等)の候補地点の選定を行った.

平成11年度は昨年度の報告書で提案された調査地点においてピット調査,ボーリング調査及び地表踏査を実施した.

これらの調査の流れを図2−2及び図2−3に示すとともに,調査項目及び調査方法を以下に示す.また,調査数量を表2−1に示す.