2−1−1 浅層反射法探査の概要

(1)目的

浅層反射法により、深度300mまでの地下における地層の連続性や、地質構造の概要、断層の通過位置等を把握するために実施した。

(2)測線の選定

平成8年度に実施した音波探査及び浅層反射法探査により、天白河口断層の名古屋市港区潮見町付近における断層通過位置がほぼ明らかになった。今年度は、その東側約2kmに位置する東海市新宝町付近の断層通過位置を特定できるよう、T−1とT−2の2つの探査測線案から1測線を選定することとした。

選定にあたり、2測線の一部区間で試験探査を実施し、その結果を比較検討したところ、ノイズレベルの違いから、T−1を本探査測線に選定した。

また、平成8年度調査結果から予想される断層通過位置をさらに広範囲に捉えるため、測線長を当初案の800mから南方へ390m延長し(国際航業鰍フ提案、負担による)、1190mとした。

(3)震源の選定

バイブレーターと重錘落下型の特性を比較検討した。その結果、本年度調査地が比較的新しい埋立地で沖積層も厚いことが、重錘落下型に多い高周波成分を減衰させる要因となる可能性が高いことと、所定の探査深度が得られない可能性があることから、震源にはバイブレーターを選定した。

(4)探査実施期間

測線設置等の準備作業は昼間に行い、探査はノイズ振動の少ない深夜(午後7時)から早朝(午前5時)にかけて実施した。

試験探査:平成9年7月23日〜平成9年7月26日

浅層反射法探査:平成9年8月17日〜平成9年8月21日

(5)担当者

技術総括者:神田 淳男(技術士:応用理学)

主任技術者:林  雅一(技術士:応用理学)

現場代理人:秋山 芳朗

従 事 者:渡子 直記(技術士:応用理学)

(6)探査作業の概要

@計画・準備

現地調査に先駆け、関係機関への調査内容の周知徹底および作業協力の依頼、道路管理者への道路占用許可申請と、所轄警察署への道路使用許可申請等の手続きを行った。

とりわけ、計画準備の段階より、東海市、名古屋港管理組合、日本道路公団、アロン化成株式会社(順不同)の各位からは、格別の協力を得ることができた。

A探査作業

探査作業は、図2−1−1に示すように、ミニバイブレータによる起震車、探鉱器等の計測システムを搭載した観測車、受振器と受振ケーブルからなる探査装置を使用し、主に道路沿いに設けた測線で行った。

受振器は、9個で1チャンネルのものを一度に120チャンネル(チャンネル間隔5m、長さ600m)設置し、5m間隔で起震した。

図2−1−1 浅層反射法探査の概要

(7)探査状況

現地探査状況は、巻末資料2−@、Aの現地調査写真にとりまとめた。