1−2−5 総合解析の概要(平成8年度)

音波探査・浅層反射法探査の両者とも、浅部断面の反射面の連続性はあまり良くなく不明瞭であり、かつ、既存ボーリング資料による地層の対比であることから、第四紀中期以降の地層の変位の有無及び変位量については、今後の確認調査で明らかにする必要がある。

音波探査及び浅層反射法探査結果によって推定・確認された上記の断層群は、その分布・走向・傾斜・落ち方向などを総合判断して、文献で言われている天白河口断層に相当するものであることがほぼ確実である。

各調査結果をまとめると、天白河口断層に関する位置は図1−3−2に示すとおり、東北東−西南西の方向に連続する。音波探査及び浅層反射法探査からの断層通過位置は、約300〜400mの幅をもっているが、文献で言われている天白河口断層の推定位置を含む北側に存在するものと考えられる。

以上のとおり、推定されていた天白河口断層の存在が確認された。しかし、今回の調査では、最新の地層を変位させているかが不明瞭であるため、今後活断層であるかどうか調査する必要がある。