2−2−3 測定データの処理

標高は海水面基準で測定、潮位補正を実施(No.0は水準点近傍)

陸上では岩石密度2.3g/ccでブーゲー異常を求めた。

地形補正は観測点周辺のみ、No.11,3,4の防波堤の寄与は無視した。

表2−2−2 重力測定結果

陸地では、ブーゲー異常、海上ではフリーエアー異常を採用する例が多いが、ここでは陸海全域でブーゲー異常を採用する。すなわちここでいう重力異常とは、陸地は削り海は埋立たときの重力との差である。陸地や埋立土砂の密度は、従来のデータとの整合性を考慮し、2.3g/cm3としたが、海は浅く陸地の標高は4mを超えないので密度2.3を2.0としても結果はほとんど同じである。

 この結果を図2−2−2に示した。黒丸が今回の測定結果であり、点線はこれまで公表されていた重力異常図から読みとった値である。その測定は高潮防波堤や、臨海埋立地域が少なかった時代に実施されたものである。当時としては、海底重力測定が実施されるなど、綿密な調査であったが、測点間隔は2.5Kmメッシュと、現在の高密度測定に比較すると粗く、その精度も特に海域においては一抹の不安が残っていた。しかし今回の測定によって、少なくとも測線上では重力異常の変動は滑らかであった。振幅0.5mgal以上の短波長成分は検出されなかった。結果において、長波長成分に関する限り、従来の測定結果は十分信頼できることが明らかになった。今回の解析にあたっては、伊勢湾北部の重力異常の滑らかさを仮定している。