2−1−1 既存資料調査の概要

(1)調査概要

@目的

 既存資料調査により、天白河口断層及び周辺についての地質分布・地下構造の実態把握と未解明の問題点を抽出するために、関係する論文・文献・地質調査報告書・ボーリングデータを対象とした。収集する文献等については名古屋市の指示する40件とし、整理様式については委員会の指示するところによる。

A担当者

国際航業(株)東日本事業本部 海洋エンジニアリング部 調査2G

深沢  満

高橋 忠

 国際航業(株)東日本事業本部 地質一部 地質G

神田 淳男(技術士:応用理学)

林  雅一(技術士:応用理学)

 B調査実施期間

平成8年7月27日〜10月15日

(2)調査方針

平成8年度調査は、天白河口断層の存在の有無確認までを目的とする、工期的・予算的に限定された「調査仕様」になっている。このため、既存資料調査についても、平成8年度は天白河口断層の存否の評価に直接関連する内容のものにとどめ、そのほかの資料調査は平成9年度において実施し、資料調査全体の内容を充実させる計画になっている。

 活断層研究会(1980,1991)が、天白河口断層を確実度U・活動度A級の活断層として認定するにあたり使用した主要文献は、桑原 徹(1976):「濃尾傾動盆地の発生と地下の第四系、地盤沈下の実態とその対策に関する調査研究報告書、愛知県環境部、109−182.」である。このほかの主な関連文献としては、桑原 徹(1985):「濃尾平野の地下水盆、濃尾平野の地盤沈下と地下水、東海三県地盤沈下調査会、35−76.」、桑原 徹・牧野内 猛(1988):「名古屋地盤の地質構成、最新名古屋地盤図、15−35.」および同別冊の「名古屋地域地質断面図集(1987)」などがある。

 「最新名古屋地盤図」および「名古屋地域地質断面図集」は、天白河口断層に関する最新の文献であり、これを主体にして、調査地域地下の地質層序・構造をとりまとめ、既存ボーリング資料の整理・解析と音波探査結果の地質解析を進めることとした。