8−1−3 雲仙地溝南縁西部断層帯

@ 位置および形態

雲仙地溝南縁西部断層帯は、橘湾南部断層群の西端から塔ノ坂断層の東端までの、西北西−東南東の走向で、長さ約25.5kmの断層である。変位の向きは相対的に北落ちの正断層である。

A 過去の活動

本断層帯の平均変位速度は数10cm/千年のオーダー(最大0.7m/千年)で活動度はB級と評価される。最新活動時期は2,300−900年前である。ひとつ前の活動が5,500−4,500年前であることから、活動間隔は4,600−2,200年である。1回の活動による変位量については、0.4〜1.7mという値が得られている。

B 将来の活動

断層の長さから松田の式によって本断層帯の活動により発生する地震の規模を算出すると、M7.2程度と推定される。また、その際には、この地震の規模からみて、断層の北側が2m程度(松田の式による算出値は、1.8m)沈降する変位を生じる可能性がある。

最新活動時期と活動間隔からみると、前回の活動から、活動間隔と同程度の年数が経過しているとも考えられ、次の地震が起こる可能性がある。