8−1−1 雲仙地溝北縁断層帯

@ 断層の位置および形態

雲仙地溝北縁断層帯は、諫早市沖の橘湾北部断層群の西端から、島原沖断層群の西端までの、西南西−東北東の走向で、長さ約31.5kmの断層である。変位の向きは相対的に南落ちの正断層である。

A 過去の活動

本断層帯の平均変位速度は数10cm/千年〜2m/千年(最大1.8m/千年)で、活動度はB級からA級と評価される。最新活動時期は、4,800−3,000年前である。ひとつ前の活動が7,500−6,600年前であることから、活動間隔は4,500−1,800年と考えられる。1回の活動による変位量としては、橘湾北部断層群のF−4断層(諫早市有喜沖)において0.30〜0.55mという値が得られている。F−4断層が南落ちを示す北縁断層帯とは逆の北落ちを示すことから、F−4断層は付随断層と考えられ、主断層の変位量はこれ以上と考えられる。

B 将来の活動

断層の長さから、松田の式によって本断層帯の活動により発生する地震の規模を算出すると、M7.3程度と推定される。また、その際には、この地震の規模からみて、断層の南側が2〜3m程度(松田の式による算出値は、2.4m)沈降する変位を生じる可能性がある。

最新活動時期と活動間隔からみると、前回の活動から、活動間隔と同程度の年数が経過しているとも考えられ、次の地震が起こる可能性がある。