7−6 島原沖断層群

(1)断層の特徴

島原沖に分布する島原沖断層群は、大局的には地溝を形成している(図7−34)。地溝の北端の位置は、陸域の雲仙地溝の北端に対して、北に約6km程度北へずれている。したがって、島原沖の断層群は雲仙活断層群とは別の断層と判断した。

(2)断層の位置・形状

@西端:島原沖断層群は、確認される最も西に位置する断層を西端とする。西方延長部が新期堆積物に覆われており、断層の有無が確認できないため、断層の長さはこれ以上の可能性もある。

A東端:確認される最も東に位置する断層を東端とする。東方延長部が新期堆積物に覆われており、断層の有無が確認できないため、断層の長さはこれ以上の可能性もある。

B長さ:上記の断層群の東西端を結ぶと約14.0kmであるが、これ以上の可能性もある。

C断層面の位置と形状:西南西−東北東の走向で、長さ約14.0kmの断層である。大局的に地溝を形成しており、地溝の幅は約7kmである。

(3)過去の活動・平均変位速度

音波探査からは、時代を特定する反射面が認定できず、平均変位速度は不明である。

(4)最新活動時期

音波探査からは、時代を特定する反射面が認定できず、最新活動時期については不明である。

(5)活動間隔

活動間隔については、活動時期を特定できる複数のイベントが確認できないため不明である。

(6)1回の変位量

1回の変位量については不明である。

(7)予想される地震の規模

断層群の長さから松田の式によって断層群が一度に活動した場合の地震の規模を算出すると、M6.7程度と推定される。また、その際には、この地震の規模からみて、1m程度(松田の式による算出値は1.0m)の変位を生じる可能性がある。