7−2−3 過去の活動・平均変位速度

雲仙火山の溶岩地形や火山麓扇状地面の変位量から求めた上下方向の平均変位速度は、数10cm〜2m/千年(最大1.8m/千年)である。

一方、松岡・竹村(1993)が指摘した、千々石断層西端部の唐比低地における沈降は、本調査によるボーリング調査結果でも確認され、平均変位速度は約1.3〜1.7m/千年と算出される。

橘湾北部断層群のF−4断層において、鬼界アカホヤ火山灰層(7,300年前)の変位量から0.17m/千年という値が得られているが、F−4断層は北落ちの断層で、南落ちの北縁断層帯の付随断層と考えられ、主断層の平均変位速度はこの値よりも大きいと考えられる。

以上の調査結果から、北縁断層帯の活動度はB級ないしA級と評価される。