(10)島原沖海域

国土地理院や海上保安庁による既往音波探査結果では、島原沖の海底深部には、基盤の口之津層群を大きく南落ちに変位させている断層は確認されない。

一方、平成16年度に実施した音波探査では、海岸付近は1792年の眉山岩屑なだれ堆積物で覆われており、断層の有無は確認できないが、沖合いには完新統を変位させる断層が分布していることが確認された(図7−20)。

これらの断層の連続性はあまり良くないが、おおむね東西方向に延びており、島原新港沖では西北西−東南東の走向で南落ち、島原城から眉山の東方沖ではほぼ東西走行で北落ちを示すものが多く、大局的には地溝状の構造を形成していると考えられる。

地溝の北端の位置は、陸域の雲仙地溝の北端に対して、北に約6km程度ずれている。したがって、島原沖の断層群は西方陸域の雲仙活断層群とは別の断層と考えられる。

この地溝の幅は約7kmで、東西延長は確認される範囲で約14kmである。