(2)九千部岳U断層

九千部岳U断層は、垂木台地北側に分布する新期雲仙火山の溶岩を南落ちに変位させる。西南西−東北東走向の断層である。

千本木溶岩(23ka)を基準面としたときの上下方向の変位量は約18mで、平均変位速度は0.78m/千年でB級を示す。

島原市南千本木において、平成噴火の爆裂によって削剥された東西方向の谷斜面に、新期雲仙火山の火砕流堆積物を変位させている断層露頭が確認された(図4−38図4−39)。

断層は、走向N72W、傾斜78Sで、厚さ約30cmの破砕帯を伴い(図4−40の写真C)、断層面に沿って厚さ約2mmの灰白色断層粘土層が認められる。また、断層面には東落ち30°の条線が認められる(図4−40の写真D)。

周辺の地形からは、この断層は相対的に南落ちのセンスを持つと考えられ、東落ちの条線を伴うことから、左横ずれ断層であることを示している。

雲仙活断層群では、空中写真判読からは、横ずれを示す変位地形は確認されておらず、平成14年度調査では、ほぼ垂直な条線を持つ千々石断層の断層露頭も確認されていた。

この南千本木における断層露頭は、雲仙活断層群の中で、唯一横ずれ成分を示す断層である。しかしながら、ここでも周辺の地形には横ずれの断層運動を示すような変位地形は認められない。

この露頭は、平成噴火による火砕流により出現した露頭で、地表付近の表土は火砕流で削剥されており、活動時期に関する情報は不明である。